「防災用に一台欲しいけど、キャンプにも車中泊にも使い回せるモデルがあれば嬉しい」――ポータブル電源を探し始めると、こういう欲張った条件で悩む人がとても多いです。容量が大きいモデルほど安心に見えて、いざキャンプに持っていこうとすると重くて車から出す気が失せる、逆にキャンプ向けの軽量モデルを防災用に選んでしまい、停電が長引いたときに電気毛布どころか冷蔵庫すら回せなかった、という失敗もよく聞きます。
このサイトの方針どおり、今回も選択肢を絞り込みます。「防災備蓄用」「キャンプ用」「車中泊用」の3パターンに分けて、それぞれ一択のおすすめモデルを提示します。すべてに使える万能機を探すより、用途を決めて一台選ぶほうが、結果的に失敗が少ないというのが私の考えです。
ポータブル電源選びで見るべき4つの数字
ポータブル電源はどれも見た目が似ていて、スペック表の数字だけで判断するのが難しい商品です。私が選ぶときに必ずチェックしているのは次の4つです。
- 容量(Wh):バッテリーにどれだけ電気を貯められるか。数字が大きいほど長く使えますが、その分重くなります。
- 出力(W):同時にどれだけの電力を取り出せるか。電子レンジやドライヤーのような消費電力の大きい家電を使うなら、定格出力が家電の消費電力を上回っている必要があります。
- 充電方式:家庭用コンセント、シガーソケット、ソーラーパネルなど、どの方法でどれくらいの時間で満充電にできるか。停電時はコンセント充電ができないので、車での充電やソーラー充電に対応しているかは防災用途では特に重要です。
- 重量:本体の持ち運びやすさに直結します。キャンプで頻繁に持ち運ぶなら軽さは正義ですが、防災備蓄用なら置きっぱなしにできるので多少重くても問題ありません。
この4つの優先順位が、用途によって変わります。だからこそ「全部入りの一台」ではなく、用途別に一択で選ぶのが近道だと思っています。
防災備蓄用に一択でおすすめ:Anker 757 Portable Power Station
Anker 757 Portable Power Station(PowerHouse 1229Wh)
防災備蓄用は、置きっぱなしにできる分「容量」と「出力」を思い切って優先していいカテゴリーです。このモデルは容量1229Wh、定格出力1500W(瞬間最大2400W)と、家庭用としてはかなり大きめの部類。停電が数日続いても、冷蔵庫やスマホの充電、照明くらいなら十分にまかなえる余力があります。長寿命のリン酸鉄リチウムイオン電池を採用していて、いざというときまで棚にしまっておいても劣化しにくいのも備蓄向きです。
弱点は重量です。10kgを超えるため、キャンプに気軽に持ち出すような使い方には向きません。「持ち出す」よりも「据え置いて使う」前提で選ぶモデルだと割り切ったほうがいいです。
キャンプ用に一択でおすすめ:Jackery ポータブル電源 400
キャンプ用は容量よりも重量を優先すべきだというのが、私の場合の判断基準です。容量400Wh、定格出力200Wとスペックだけ見ると控えめですが、重量は4.1kgとかなり軽量。スマホやランタン、小型の扇風機を動かす程度なら、この容量で十分すぎるくらいです。片手で車から持ち出せる軽さは、キャンプという「毎回運ぶ」用途では地味に効いてきます。
一方で、電気毛布や小型クーラーボックスのような消費電力の大きい家電を長時間動かすには心もとない容量です。真夏・真冬のロングキャンプで家電をフル稼働させたい人には、ワンサイズ上のモデルを検討したほうがいいでしょう。
車中泊用に一択でおすすめ:EcoFlow RIVER 2 Pro
車中泊は「防災ほど大容量でなくていいが、キャンプ用より出力に余裕が欲しい」という中間の要求になります。このモデルは容量768Wh、定格出力800W(瞬間最大1600W)で、電気毛布や小型冷蔵庫、ノートPCを同時に使っても余裕を持って回せます。急速充電に対応していて、走行中の車内充電やソーラー充電にも切り替えやすいので、車中泊中に電池残量が心配になりにくいのも魅力です。
重量は約7.8kgと、防災用ほど据え置きでもキャンプ用ほど軽量でもない、まさに中間の立ち位置。車に積んだまま使う前提なら気にならない重さですが、車外に持ち出して使う頻度が高い人には少し重く感じるかもしれません。
まとめ
ポータブル電源は「なんとなく大は小を兼ねる」で選ぶと、重くて使わなくなったり、逆にいざというとき力不足だったりと後悔しがちな買い物です。備蓄なら容量と出力を優先したAnker 757、身軽さが命のキャンプならJackery 400、車中泊なら容量と出力のバランスが良いEcoFlow RIVER 2 Pro――用途を一つに決めて、そこに合わせて一択で選ぶのが、遠回りに見えて一番の近道だと思います。